診療・各部門
概要
当放射線部では,画像診断部門・放射線治療部門(機器更新準備中)・健診センター部門より構成され,一般撮影(マンモ,骨密度,歯科パントモなどを含む),CT,MRI,透視X-TV,心・血管撮影,核医学検査(アイソトープ)や放射線治療(リニアック)等の放射線医療機器を駆使して,さまざまな疾患の診断や治療,また健診業務に従事しています.
2021年に施行された診療放射線技師法の一部改正では,静脈路に造影剤注入装置を接続する際に静脈路を確保する行為などが認められました.当放射線部では,タスクワークシフト・シェアの実現に向けて,放射線科医師による指導のもとCT・MRIの造影検査において,静脈路確保・造影剤注入・装置との接続・注入および抜針まで行っています.
日々の技術や知識,また情報の共有に向けた取り組みでは,定期的に部内会議や勉強会などを開催しています.
1, 放射線画像情報の管理では,個人情報保護,セキュリティ対策,システム管理などをテーマとして取り上げています.
2, 医療安全の取り組みでは,部内で起きたインシデント・アクシデントへの対応と取組みについて協議しています.
3, 放射線科読影レポートの既読管理では,委員会を立ち上げ重要な所見(警告症例)への対応などを協議しています.
4, 被ばく管理では,法令で定めた限度値を超えない様に,放射線従事者の被ばく線量の値を管理しています.
線量が高めの従事者には,その都度,原因の追究と今後の対策を検討しています.
5, 教育・研修では,装置メーカーによる技術講義,症例検討会,装置の実験データの取得や新人教育などを行っています.
一般撮影部門では,2022年4月に骨密度装置(Dual Energy X-Ray Absorptiometry: DEXA),また8月には一般撮影装置において,オートポジショニング,パワーアシスト,さらに長尺撮影機能を備えた最新の機器が導入されました.画像処理装置はすべてFlat Panel Detector (FPD) の対応となり,画質の向上によりさらに有用な情報を提供できるようになりました.また検出器の感度向上にともない,患者さまの被ばく線量も従来のComputed Radiography (CR)に比べおおよそ1/2から1/3程度に低減することが可能となりました.
MRI装置では,2020年1月に導入された3T(テスラ)と1.5T装置の2台が稼働しています.当院の特色である炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease: IBD)に対するMR enterographyや大腸肛門病疾患である痔瘻の造影MRIを積極的に行っています.
CT装置では,2019年1月に導入された80列と64列Multi Detector CT(MDCT)装置の2台が稼働しています.心臓CT・大腸CT・肝臓体積測定・CT angiography (CTA),また放射線科医師によるCTガイド下生検・ドレナージ・術前肺マーカ挿入(virtual-assisted lung mapping: VATS) などが行われています.
マンモフラフィー装置では,通常の撮影に加え,トモシンセシス機能が備えられ必要に応じて多層断層画像の作成が可能です.また手術による摘出乳腺病理検体の撮影も行われ,術前の臨床診断と病理診断の検討も行われています.
心臓カテーテル装置では,心筋梗塞などに対して経皮的冠動脈インターベンション(Percutaneous Coronary Intervention: PCI),下肢動脈狭窄・閉塞症などに対して経皮的血管拡張術(Percutaneous Transluminal Angiography: PTA) ,不整脈など対してカテーテルアブレーション(Radiofrequency Catheter Ablation: RFCA)が行われ,この様なさまざまな検査に対応するアプリケーションが装備されています.
血管撮影装置では,肝動脈化学塞栓術(Transcatheter Arterial Chemo Embolization: TACE) ,消化管出血に対するコイル塞栓術などの各種Interventional Radiology (IVR)が行われています.複雑な血管走行や体内の2Dや3D画像が撮影可能なCBCT(Cone Beam CT)機能も備わっています.
放射線情報システム(Radiology Information System: RIS)では,2022年8月に医療安全対策と放射線業務の効率化を重視したシステム構成を実現しました.
R I Sを活用した安全で安心な放射線診療の試みでは,バーコードリーダーによる患者認証システムを導入しました.もちろん患者さまにも氏名・生年月日・検査内容の確認を行うことで複数回のチェックが可能となりました.また電子カルテとのI D連携が可能となり,R I S端末上で電子カルテの呼び出しボタンのクリック1回で,対象の患者さまの電子カルテを開くことが可能となりました.検査を実施するに当たり,事前にさまざまな情報を即座に確認することができ,患者さまの状況や状態を把握した上で検査の組み立てが可能となりました.
業務の効率化の試みでは,普段の業務をいかに効率良く,適切に実施できるかを考慮しました.撮影業務では過去画像の参照に時間を要していましたが,同じ検査部位であれば自動でRIS画面に表示されるようになりました.撮影室内に大型モニターを設置する事でその場で画像の確認ができる様になりました.またRIS画面上には沢山の接続先のリンクボタンを作成しました.電子カルテ参照,過去画像表示,放射線科レポート参照,心臓カテーテルなどの動画サーバー,CD-ROM作成アプリなどがあり,開くのに時間のかかっていた業務の効率化に大きく貢献しています.
また,画像に関するステータスの情報がリアルタイムに提供されるようになりました.画像のPACS (Picture Archiving and Communication System)への配信などの検像状況,読影レポートの作成済み,依頼医の既読済みなどの情報が確認できます.
この様に,当放射線部ではさまざまな取り組みや最新の医療機器を装備しております.しかし,最後は人と人との関わりが大切であり,今,目の前にいる患者さまが何を必要としているのか・何をしてあげられるのか・何をしてあげるべきなのか,また病院として放射線部にどの様なことを期待しているのかを常に考え,病院スタッフの一員としてより良い放射線診療の提供に向け取り組んでまいります.
どうぞ,よろしくお願いいたします.
スタッフ構成
技師長1名、副技師長2名、主任3名を含む計22名(男性:17名 女性5名)
認定資格
2023年度 放射線科診療部 認定資格
第一種放射線取扱主任者 | 3名 |
第二種放射線取扱主任者 | 1名 |
検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師 | 3名 |
日本X線CT認定技師 | 6名 |
肺がんCT検診認定技師 | 1名 |
核医学専門技師 | 1名 |
胃がん検診専門技師 | 1名 |
胃がんX線検診技術部門B資格 | 1名 |
胃がんX線検診読影部門B資格 | 1名 |
磁気共鳴専門技術者 | 2名 |
放射線管理士 | 9名 |
放射線機器管理士 | 9名 |
医療画像情報精度管理士 | 2名 |
臨床実習指導教員 | 1名 |
Ai認定診療放射線技師 | 2名 |
画像等手術支援認定診療放射線技師 | 1名 |
放射線治療専門放射線技師補 | 1名 |
第一種作業環境測定士 | 1名 |
上級救命技能認定 | 1名 |
BLSプロバイダー | 2名 |
告示研修(基礎講習・実技研修終了者) | 6名 |
施設認定
医療被ばく低減施設認定 (日本診療放射線技師会)
安心できる放射線診療を国民の皆様へ提供するため,被ばく低減に努めています.2013年には,日本診療放射線技師会の事業である医療被ばく低減施設認定を取得しています.全国の病院で38番目,JCHO関連施設では2番目に認定を取得しました.また,診療放射線技師による医療被ばく相談の窓口を開設しています.当院での被ばく線量のデータ開示や医療被ばくに関する疑問・質問を受付けています(業務の都合により直ぐに対応できない場合があります)
行為の正当化,防護の最適化を実践しながら,施設側の立ち位置ではなく患者さまの目線で業務に取り組んでいます.
ご安心して検査をお受け下さい.
・ 日本診療放射線技師会 医療被ばく低減施設認定
http://www2.jart.jp/activity/teigenshisetu_ichiran.html
・ 東京山手メディカルセンターつつじ通信(被ばく低減の取り組み)
https://yamate.jcho.go.jp/wp-content/uploads/2014/06/tsusin_2013-11-2.pdf
マンモグラフィー検診施設画像認定施設(日本乳がん検診精度管理中央機構)
がん情報サービス(https://ganjoho.jp/public/index.html)によると,女性の2019年部位別がん罹患数で乳がんは1番多い疾患であることが示されています(資料-1).
この様な背景からも,精度の高いマンモグラフィー画像の提供が必要であり,定期的に認定施設の更新を受けています.日々,撮影機器の管理・撮影技術の向上に努めています.マンモグラフィー認定を取得した技師も複数名おり検診および臨床で質の高い検査を行っています.
撮影したマンモグラフィー画像は放射線技師レポートとして所見を報告しています.また放射線技師スタッフ内で症例検討が行われ読影力を磨いております.
当院のマンモグラフィー検査はすべて女性技師が対応しています.
ご安心して検査をお受け下さい.
・ 日本乳がん検診精度管理中央機構(マンモフラフィ検診施設・画像認定施設)
https://www.qabcs.or.jp/
業績一覧
部内勉強会
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