2025年最新の不整脈治療:パルスフィールドアブレーション

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パルスフィールドアブレーション

2025年2月より当病院ではパルスフィールドアブレーション(Pulsed Field Ablation:PFA)という国内で開始されたばかりの最新の治療ができるようになりました。

 パルスフィールドアブレーション(PFA)は、これまでの治療が不整脈発生部位を熱したり冷却したりすることで組織を壊死させ不整脈を治療していたのに対し、不整脈発生部位に超短時間の電圧パルスをかけることにより不整脈を治療するアブレーション法です。パルスフィールドアブレーション(PFA)は治療部位にやけどや凍傷が起こらないため、壊死した組織が比較的きれいだと言われています

また、このパルスは心筋にしか効かないため、従来の治療のように、心臓に近い食道や神経に障害を与えてしまう合併症(食道迷走神経障害、急性胃拡張、横隔神経障害など)や、治療した肺静脈が狭くなってしまう合併症(術後肺静脈狭窄)の心配がほとんど無く、治療ターゲットとする心筋のみを選択的にアブレーションできることが最大の特徴と言えます。
また、パルスフィールドアブレーション(PFA)は当病院が得意とするクライオバルーンアブレーションと操作が極めて似ているため、クライオバルーンを使用している施設に非常に有利であります。難治性の心房細動(持続性心房細動)の長期成績については、現時点では当病院のクライオバルーンアブレーションの術後成績が圧倒的に良いですが、早期の心房細動(発作性心房細動)の治療成績はPFAにおいてもかなり良いと考えられます。当病院ではこの比較的早期の心房細動症例からパルスフィールドアブレーション(PFA)を始めております。

更新日:2025/02/27