診療・各部門
2022年4月よりJCHO東京山手メディカルセンターの手外科診療部長に就任した河野慎次郎と申します。1994年に東京大学医学部を卒業後、東京大学整形外科とその関連病院において、ほぼ一貫して手外科診療に従事してまいりました。
手外科とは主に指先から肘くらいまでの範囲における整形外科の疾患(骨折、捻挫、神経血管腱損傷、変形性関節症や関節リウマチなどの慢性の疾患、神経疾患、腫瘍、先天異常、感染症など)を扱う整形外科のなかの一分野のことを指します。
手外科は整形外科のなかでも特に小さい組織を扱うため整形外科の中でも専門性が高く、日本整形外科学会の整形外科専門医とは別に日本手外科学会によって手外科専門医制度が制定されています。整形外科専門医を取得後、さらに3年間の手外科研修を行い試験に合格すると手外科専門医になれるのですが、私はこの手外科専門医資格を取得し、さらには手外科研修の指導をおこなう手外科指導医の資格も取得しております。
手外科は専門医と非専門医で治療の結果に大きな差がでると昔からいわれている分野であり、手外科疾患が疑われる際にはぜひ当科を受診していただけると幸いです。具体的には指先・手首・肘などに骨折や打撲などの怪我があった場合はもちろんのこと、仕事・家事・運動などによって痛くなった(痛くてできない)、手指が急に(徐々に)動かなくなった、痛くて手指が握れない(伸ばせない)、手指がしびれる、腫瘤(できもの)ができた、赤く腫れた(膿が出た)、などの症状がございましたら当科を受診していただけると幸いです。また、ほかの病院でレントゲンを撮ったけれど異常がないと言われ困っている方などもぜひ受診していただきたいと存じます。
疾患名を挙げますと、指骨骨折、舟状骨骨折、橈骨遠位端骨折、肘関節部骨折、靭帯損傷、TFCC損傷、屈筋腱伸筋腱損傷、神経血管損傷、変形性関節症(へバーデン結節、ブシャール結節、母指CM関節症)、手根管症候群、肘部管症候群、デュピュイトラン拘縮、先天異常(重複母指、合指症)、化膿性腱鞘炎、化膿性関節炎、関節リウマチ、SLE関節炎、骨軟部腫瘍、拘縮、などの上肢疾患が疑われている方はぜひ受診をお願いします。