過敏性肺炎

診療・各部門

 近年,都市部では、これまで間質性肺炎の代表だった特発性肺線維症が急速に減少してきており、代わってわが国の間質性肺炎の中では最も重要な病気として、過敏性肺炎が浮かび上がって来ました。急性型もありますが、大部分は慢性型です。

 過敏性肺炎は、環境中に含まれる物質(羽毛製品の成分、多湿な室内で繁殖するカビ、空調や加湿器内のカビなど)が肺に吸い込まれ、それに対して身体の免疫が過敏に反応して慢性的に肺に炎症が持続し、その結果、肺の線維化、縮小が進行する病気です。

 最近非常に増えて来ており、施設によっては間質性肺炎の3割以上がこの病気であるとの報告もあります。当院では、疑いも含めると5割以上となります。

 血液検査や詳細な問診、CT画像の解析などである程度絞り込みが可能です。

 診断、もしくはその疑いが濃厚となった場合、当院では生活環境からの羽毛製品の全撤去,ハウスクリーニング,空気清浄機の設置などをお願いしています。それだけで進行が止まり、炎症の値も下がってくる人が少なくありません。また,急に進んで来た方では,ごく短期間の薬剤点滴が病状の改善に貢献することもあり、当院では積極的に使用しています。長期的にはまた別の考慮が必要です。

更新日:2024/04/30