診療・各部門
当院は地域医療機関との連携を図る、紹介制を原則としております。
このため初診の場合、緊急の場合を除き、「かかりつけ医」など地域の医療機関からの紹介状をご持参下さい。
紹介状は必ずしも専門医からの文書でなくてもかまいません。
※紹介状持参の方は、初診、再診すべて総合医療相談センター(8番窓口)へ。
皮膚科のご案内
当科では皮膚にみられる全ての症状、例えば痒みや何らかの発疹が出た場合はもちろん、しこりやいぼのようなものができた、皮膚がカサカサしているとか、ふけがひどい、毛が抜けるなど、ありとあらゆるトラブルを対象としています。
迅速かつ正確な診断と適切な治療を実現するため、ダーモスコープやナローバンドUVB、エキシマライト照射装置など様々な機器を導入しています。
また2010年2月から当院では、重症の乾癬の方を対象として生物学的製剤(点滴、皮下注)による最先端の治療を開始しています。
主な疾患
乾癬
表面に白い落屑を有する赤い発疹が、おもに肘やひざなどこすれやすい部位に出現し、ゆっくりと多発、拡大してくるものです。痒みを感じることもあります。ある程度の素因がある方にできるものと考えられていますが、食事やストレスなど生活因子もその出現や悪化に関係しているといわれています。
フケが急に多くなったときなどは、乾癬が頭にできた可能性があります。いずれにせよ疑わしい症状が見られた場合は、お気軽に当科までご相談ください。当科では活性型ビタミンD3やステロイドによる外用療法を基本に、症例によりナローバンドUVBやエキシマライトなどによる紫外線療法も併用します。さらにこれらの治療で難治の場合には、アプレミラストやシクロスポリン、レチノイドなどの内服療法を行うこともあります。
【乾癬に対する生物学的製剤による治療】 |
当科では乾癬に保険適応のあるレミケード®、ヒュミラ®、ステラーラ®、コセンティクス®、トルツ®、ルミセフ®、トレムフィア®、スキリージ®、シムジア®、イルミア®のほぼ全てに開発段階から関与しており、これまでに豊富な使用経験があります。また現在も新たな生物学的製剤や経口分子標的薬の開発治験に参加しており、症状に応じた多様な治療選択肢が提供可能です。さらに乾癬の近縁疾患とされる掌蹠膿疱症についてもトレムフィア®が保険承認されています。 |
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎については、まず症状や経過、アトピー素因の有無を中心に、必要に応じて血液検査なども参考にして総合的に診断します。その上で悪化因子の検索やスキンケアの指導を行い、症状に応じてステロイドや免疫調整薬(プロトピック®軟膏、コレクチム®軟膏)などによる外用療法を中心とした治療を行っています。
【アトピー性皮膚炎、蕁麻疹に対する生物学的製剤および経口JAK阻害薬による治療】 |
当科ではアトピー性皮膚炎を対象として、生物学的製剤(デュピクセント®:皮下注射)による治療を行っております。本剤は従来の治療に効果不十分な症例に対し、極めて優れた効果が確認されています。さらに2020年12月からはアトピー性皮膚炎にJAK阻害薬(内服)も保険承認されており、現在オルミエント®、リンヴォック®、サイバインコ®の3剤が使用可能です。また難治性の蕁麻疹に対しても、生物学的製剤(ゾレア®:皮下注射)による治療を行っておりますので、お気軽にご相談ください。 |
良性のほくろと癌
良性のほくろなどと癌との鑑別には、ダーモスコープという拡大鏡を使用し、診断の精度向上に役立てています。
良性の小腫瘍に対しては、疣贅(いぼ)などと同様に液体窒素による冷凍凝固術を行うこともありますが、粉瘤や脂肪腫、陥入爪などに対しては、適宜外来および短期入院にて手術を行います。
基底細胞癌や有棘細胞癌、パジェット病などの皮膚癌に対してはCTやエコー、シンチグラムなどによる全身検索の上、原則として入院にて、全身麻酔下の植皮も含めた手術を行っております。
その他
【帯状疱疹、蜂窩織炎、全身ウイルス感染症、膠原病、水疱症】
その他、帯状疱疹や蜂窩織炎、全身ウイルス感染症などは原則として入院の上、安静および点滴による治療を行い、エリテマトーデスなどの膠原病や水疱症などに対しても、その症状に応じて入院により治療を行うことがあります。
【各種パッチテストによる原因検索】
・接触皮膚炎や薬疹、掌蹠膿疱症などに対しては必要に応じて各種パッチテストを行い、原因検索に努めています。
【光線療法】
・既に触れた乾癬以外にも、白斑や皮膚悪性リンパ腫など保険適応のあるいくつかの疾患に対しては、ナローバンドUVBあるいはエキシマライトによる光線療法を行っております。
【皮膚組織検査】
・皮膚組織検査は月、木、金の午後に外来手術枠で適宜行っています。
更新日:2022/10/03