診療・各部門
トピックス
本年度手術支援ロボットが導入されました。安全な実施に向けた体制整備を進めており、低侵襲手術のさらなる発展が期待されます。
また、食道がん手術は近年増加し、直近では年間10例を超える症例数となっており、地域の先生方から多くのご紹介をいただいております。
当科の食道手術の特徴
当科では、3D画像対応の手術機器を用いた鏡視下手術(胸腔鏡・腹腔鏡)を行っています。
立体的な視野により精緻な手術操作が可能であり、食道がんに対しては腹臥位胸腔鏡手術を標準術式としています。腹部操作は腹腔鏡で行い、小さな創での低侵襲手術を実現しています。
その結果、術後回復の早期化や合併症低減につながり、生活の質(QOL)の向上が期待されます。再建法にも工夫を加え、安全かつ確実な治療を目指しています。
→「食道がんの手術のコーナー」もぜひご覧ください。
当科の胃手術の特徴
幽門側胃切除や胃全摘といった標準術式に加え、噴門側胃切除など機能温存手術も積極的に行っています。
すべての術式で腹腔鏡を用いた低侵襲手術を基本とし、病状および全身状態を踏まえ、患者さんの意思を尊重しながら専門医が最適な術式を選択します。
また、GISTに対しては消化器内科と連携した腹腔鏡・内視鏡合同手術にも対応しています。
病院の環境
当院では、症例ごとに消化器内科、放射線科、病理診断科との合同カンファレンスやキャンサーボードを開催し、診療科横断的に治療方針を決定しています。
周術期には循環器・呼吸器各科および集中治療室(ICU)と連携し、合併症リスクの高い症例にも対応可能です。
さらに、上部消化管外科で重要となる栄養管理については、歯科を含む栄養サポートチーム(NST)と協働し、継続的に介入しています。
患者さんへのメッセージ
患者さんとご家族には病状と治療方針を丁寧にご説明し、安心して治療を受けていただけるよう努めています。
全身状態などにより手術が困難な場合でも、最善の治療選択を一緒に検討します。
退院後は医療連携室を通じて地域の医療機関と密接に連携し、必要に応じて当科での継続診療も行いながら、切れ目のない医療を提供します。
診療実績(最近5年間)
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2021年 |
2022年 |
2023年 |
2024年 |
2025年 |
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| 食道手術:総数 |
4(2) |
7(3) |
6(4) |
6(6) |
14(12) |
| 食道亜全摘術 |
2(2) |
3(3) |
4(4) |
4(4) |
11(10) |
| その他 |
2(0) |
4(0) |
2(0) |
2(2) |
3(2) |
| 胃手術:総数 |
15(6) |
15(10) |
13(10) |
19(12) |
21(16) |
| 幽門側胃切除術 |
6(1) |
10(7) |
4(2) |
6(5) |
8(7) |
| 胃全摘術 |
4(1) |
1(1) |
2(1) |
1(1) |
5(3) |
| 噴門側胃切除術 |
3(2) |
2(1) |
2(2) |
4(4) |
2(2) |
| その他 |
2(2) |
2(1) |
5(5) |
8(2) |
6(4) |
()内は鏡視下手術の件数
参考:胸腔鏡、腹腔鏡手術の長所(と短所)
胸腔鏡・腹腔鏡手術には「創が小さく痛みが少ない」「美容的に優れる」といった一般的な利点に加え、さまざまなメリットがあります。
・痛みが少ないため、リハビリを早く始められ、肺炎などの合併症予防にもつながります
・高性能カメラと高解像度モニターにより、細かな血管まで確認でき、出血の少ない丁寧な手術が可能です
・胸や腹部の奥の見えづらい部位も、カメラで拡大して観察でき、安全に操作できます
・胸やお腹を大きく開かないため、内臓が乾燥せず、水分や血圧の変動が少なくなります
・手で臓器に触れないため、物理的な損傷も最小限に抑えられます
腹腔鏡手術の有効性については、大規模な研究でもその効果が報告されています。
更新日:2026/4/14