平成28年度 東京山手メディカルセンター 病院指標
- 年齢階級別退院患者数
- 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
- 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
- 成人市中肺炎の重症度別患者数等
- 脳梗塞のICD10別患者数等
- 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
- その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
1.年齢階級別退院患者数
【定義】
平成28年度(平成28年4月1日から平成29年3月31日)に当院を退院された患者さんを10歳刻みで集計しております。
年齢区分 | 0~ | 10~ | 20~ | 30~ | 40~ | 50~ | 60~ | 70~ | 80~ | 90~ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
患者数 | 59 | 135 | 749 | 1035 | 1109 | 1058 | 1601 | 1875 | 1160 | 286 |
2.診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
【定義】
平成28年度(平成28年4月1日から平成29年3月31日)に当院を退院された患者さんで、診療科毎に症例数の多かった上位5つの診断群分類について、患者数、平均在院日数(自院・全国)、転院率、平均年齢を集計しております。
診断群分類とは、病気が発生した臓器・個々の病名、さらには行った手術・処置あるいは副傷病の有無などを、それぞれ数字を用いて定義し、これを順につなげて14桁とした分類法です。単純な数字の羅列で表されるため、病名と医療サービスの組み合わせの統一した表現が可能です。全部で5,000近くの分類があります。逆に、この分類コードをみれば、病名や医療サービスの内容が分る、すなわち日本全国でどのような病気がどのような状態で診療されているかが分るようになっており、診断群分類コードを用いた病院間の比較もできるようになっています。
内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
040110xxxxx0xx | 間質性肺炎 手術・処置等2 なし | 223 | 17.51 | 19.92 | 2.69 | 70.43 | |
060180xx99x0xx | クローン病等 手術なし 手術・処置等2 なし | 159 | 10.18 | 9.22 | 0 | 40.84 | |
050050xx99100x | 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 1あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし | 133 | 3.26 | 3.06 | 0 | 65.61 | |
050070xx01x0xx | 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2 なし | 103 | 6.74 | 5.51 | 0 | 64.26 | |
050050xx02000x | 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1 なし、1,2あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし | 86 | 3.7 | 4.71 | 0 | 68.28 |
【炎症性腸疾患内科】
当科では潰瘍性大腸炎(UC)とクローン病(CD)に代表される炎症性腸疾患(IBD)の診療において良質で的確な先進治療を行っています。本邦においても食生活の欧米化に伴いIBDの患者数は増加しており、医療受給証の交付件数による2014年度の患者数はUC17万人、CD4万人であり、計20万人以上の患者がいることになります。当院の昨年度の定期通院患者数は約3100人(CD1800/UC1300)ですので、実に1.5%が当院のIBD患者ということになります。
IBDの原因はまだ解明されていないので根治的な治療法はなく、活動期には迅速に炎症を鎮静化させ寛解(落ち着いた状態)に持ち込み、寛解期においては再燃を予防し、落ち着いた状態を長期に維持することが目標となります。近年登場した抗TNFα抗体製剤は強力な寛解導入効果と長期的な寛解維持効果を併せ持つ“二刀流”の薬剤で慢性的な炎症を引き起こしているTNFαというサイトカインの働きを抑えることで抗炎症効果を発揮します。IBDで適応となっている抗TNFα抗体製剤は長らくレミケード®、ヒュミラ®の2剤でしたが、今年3月にUCでは新たにシンポニーが適応となり、治療選択肢が増えたことでIBD患者の寛解導入率、維持率の更なる向上が期待できます。
当科では大腸肛門病センターの医師との週1回の合同カンファレンスを行い、また看護師、薬剤師、栄養士などのコメディカルとも密に連絡をとりIBD患者の情報を共有することで当院の総力をもって診療を行っています。また、近隣の実地医家の先生方を対象とした勉強会を頻回に開き、患者会にて医療相談を行うなどしてIBDの知識の啓蒙をはかるとともに緊密な病診連携体制を構築しております。
肛門科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060235xx97xxxx | 痔瘻 手術あり | 757 | 5.24 | 6.55 | 0 | 41.51 | |
060245xx97xxxx | 内痔核 手術あり | 656 | 6.54 | 5.85 | 0 | 56.01 | |
060220xx97xxxx | 直腸脱、肛門脱 手術あり | 199 | 8.53 | 10.15 | 0.5 | 66.81 | |
060260xx97xxxx | 肛門狭窄、肛門裂溝 手術あり | 100 | 5.43 | 7.33 | 0 | 54.17 | |
060250xx97xxxx | 尖圭コンジローム 手術あり | 85 | 3.29 | 3.45 | 0 | 34.2 |
疫学的疾患群の傾向としては痔核が一番多いはずですが、当院では他の施設からの紹介による痔瘻が最も多い疾患となっております。当院での低侵襲な痔瘻手術が周知され全国から患者さんを紹介いただいている結果かと思われます。痔瘻・痔核・裂肛は肛門疾患の三大疾患でベスト5にも入っておりますが,当院では総合病院の中の大腸肛門科という特性もあって全身合併症(循環器疾患、呼吸器疾患、維持透析下、肝疾患、血液疾患(血小板減少症,HIV陽性者など)、認知症、その他難病)を伴う患者さんにも手術適応を拡げて安全に治療を行っております。最近では高齢社会を反映して直腸脱の手術も大変多くなっております。麻酔方法も全身麻酔、腰椎麻酔、局所麻酔等適宜選択して行える環境が整っております。また尖圭コンジロームとHIV陽性を合併している場合も多くなってきています。その場合もエイズ拠点病院でもある利点を生かして両者の治療が並行して可能となっております。
産婦人科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
120180xx01xxxx | 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 | 49 | 10.76 | 9.88 | 0 | 33.22 | |
12002xxx99x40x | 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし | 46 | 3.8 | 5.12 | 0 | 54.61 | |
060250xx97xxxx | 尖圭コンジローム 手術あり | 42 | 3.14 | 3.45 | 0 | 26.64 | |
120200xx99xxxx | 妊娠中の糖尿病 手術なし | 38 | 5.66 | 6.05 | 0 | 31.92 | |
120170xx99x0xx | 早産、切迫早産 手術なし 手術・処置等2 なし | 32 | 25.53 | 20.79 | 15.63 | 30.97 |
当院産婦人科では、妊娠・分娩から各種の良悪性婦人科疾患まで、幅広く診察をしております。妊娠・分娩では超音波診断に力を入れており、複数名の超音波専門医が勤務しております。妊娠糖尿病や切迫早産例に対しては必要に応じた入院治療を行っております。現在当院では無痛分娩は取り扱っておりません。
婦人科では、子宮筋腫、卵巣嚢腫といった良性の婦人科疾患では、安全を第一としつつ可能な限り腹腔鏡等による小さく目立たない傷で行う手術を心がけております。
また、子宮内膜ポリープや粘膜下筋腫に対する子宮鏡下手術、内科的治療が不可能な部位に発生したり再発を繰り返す尖圭コンジローマに対する焼灼術なども数多く行っております。
悪性腫瘍の症例も手術や化学療法を行っております。診断後できるだけ早く手術を行えるようにしており、手術では骨盤外科をになう外科・大腸肛門外科・泌尿器科などとも連携をとっております。
放射線療法は現在当院ではできないため、他院と連携して行っております。
整形外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
160620xx01xxxx | 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。) 腱縫合術等 | 59 | 9.19 | 11.91 | 0 | 39.39 | |
070343xx01x1xx | 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 前方椎体固定等 手術・処置等2 1あり | 55 | 27.98 | 26.69 | 3.64 | 69.44 | |
070230xx01xxxx | 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 | 48 | 33.17 | 26.26 | 0 | 76.67 | |
160800xx01xxxx | 股関節大腿近位骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 | 40 | 35.28 | 27.63 | 67.5 | 83.12 | |
070341xx020xxx | 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 頸部 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 後方又は後側方固定等 手術・処置等1 なし | 37 | 22.84 | 22.69 | 8.11 | 68.32 |
【脊髄脊椎外科】
脊柱管狭窄症で頸椎の代表的な疾患は、頚椎症性脊髄症であり、その次は頸椎症性神経根症、頸椎後縦靭帯骨化症である。保存的治療は外来で行い、入院患者さんは手術治療のみで、手術術式は、主に椎弓形成術を行っています。
脊柱管狭窄症で腰椎の代表的な疾患は、腰椎変性すべり症で、次に腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニアある。入院での保存的治療は、上記疾患の急性の坐骨神経痛による歩行不能な患者さんである。入院のほとんどが、手術治療が必要な患者さんで、腰椎変性すべり症に対しては不安定性が強いため、腰椎後方進入椎体間固定術を実施しています。腰部脊柱管狭窄症に対しては、椎弓切除術、開窓術を実施し、腰椎椎間板ヘルニアに対しては髄核摘出術を実施しています。
外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060150xx03xxxx | 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 | 32 | 5.78 | 5.6 | 0 | 35.31 | |
060335xx02000x | 胆嚢水腫、胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし | 26 | 9.96 | 7.61 | 0 | 55.65 | |
040040xx97x0xx | 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等2 なし | 21 | 14 | 12.73 | 0 | 68.52 | |
060150xx02xxxx | 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴うもの等 | 19 | 7.16 | 9.91 | 0 | 40.37 | |
060020xx02x0xx | 胃の悪性腫瘍 胃切除術 悪性腫瘍手術等 手術・処置等2 なし | 18 | 22 | 17.65 | 0 | 68.89 |
【消化器外科】
急性虫垂炎は消化器外科疾患の中では最も頻度の多い疾患で当院でも入院患者さんで最多となっています。比較的軽症な患者さんでは抗菌剤による保存的治療で治癒しますが、中等度以上に炎症が進んでいる場合には手術的治療が必要で、最近では小さな傷で回復も早い腹腔鏡による虫垂切除術を第1選択で行っています。
2位は急性胆嚢炎で胆石症のある患者さんで発症しやすい疾患です。こちらも比較的軽症の場合には抗菌剤投与などによる保存的治療にて軽快しますが、中等度以上炎症が進んでいる場合には胆管炎や黄疸の出現のリスクがあるため手術が必要です。急性胆嚢炎の手術は胆石症に比べやや困難にはなりますがこれも第1選択は腹腔鏡下での胆嚢摘出術です。しかし、炎症が高度で解剖が不明瞭な場合には安全のため開腹手術を選択しています。
3位は胃癌です。胃癌はもともと日本人に多い癌として知られており、近年その発症率はほぼ横ばいになっていますが依然として入院患者さんの中では多い疾患です。粘膜内にとどまりリンパ節転移がないと判断される場合には内視鏡下に粘膜切除を行うことで治療可能ですが、それ以外の場合には手術が必要です。腹腔鏡下外科手術の発展により悪性腫瘍の手術でも質の高い手技が可能になってきており、胃癌では病期Ⅰの患者さんでは腹腔鏡下での胃切除術が標準治療になっています。病期Ⅱ、Ⅲについては現在腹腔鏡手術の安全性を評価する臨床研究が進行中で数年後にはその適応についての結果が発表されるものと思われます。その内容によってはさらに腹腔鏡下手術の適応が拡大される可能性があり、我々も注視し患者さんにエビデンスに基づいた低侵襲な治療を行ってゆきたいと考えています。
脳神経外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
010070xx02x0xx | 脳血管障害 経皮的頸動脈ステント留置術 手術・処置等2 なし | 13 | 5.77 | 9.87 | 0 | 72.31 | |
010030xx9910xx | 未破裂脳動脈瘤 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし | 12 | 2.08 | 3.2 | 0 | 62.83 | |
010060x2990401 | 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 発症前Rankin Scale 0、1又は2 | 11 | 15.91 | 16.54 | 9.09 | 66.73 | |
010230xx99x00x | てんかん 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし | - | - | 7.12 | - | - | |
160100xx99x00x | 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし | - | - | 7.52 | - | - |
未破裂脳動脈瘤の予防的手術やコイル塞栓術にも対応しており、外来にて厳格な適応評価の上、術前評価としてカテーテル検査入院などを13例に行っています。脳血管障害では特に頚動脈高度病変の経皮的ステント留置術に力を入れており13例に実施しました。脳虚血性疾患入院84例のうち11例はアテローム硬化性の皮質脳梗塞でした。
耳鼻咽喉科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
030350xxxxxxxx | 慢性副鼻腔炎 | 43 | 5.74 | 7.47 | 0 | 52.07 | |
030230xxxxxxxx | 扁桃、アデノイドの慢性疾患 | 22 | 7.91 | 8.12 | 0 | 23.77 | |
030240xx99xxxx | 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし | 11 | 6.09 | 5.5 | 0 | 34.18 | |
030440xx01xxxx | 慢性化膿性中耳炎・中耳真珠腫 鼓室形成手術 | 10 | 5.1 | 9.36 | 0 | 60.3 | |
030300xx01xxxx | 声帯の疾患(その他) 喉頭・声帯ポリープ切除術等 | - | - | 5.07 | - | - |
耳鼻咽喉科では主として良性疾患を対象に治療を行っています。慢性副鼻腔炎の方が最も多く、そのほとんどは手術症例です。ついで慢性扁桃炎、アデノイド増殖症などの扁桃疾患の手術症例が多いです。扁桃の急性疾患は緊急入院が多く、点滴などで保存的に加療されます。
中耳疾患、声帯疾患、頸部の腫瘍性病変なども手術のため入院となります。
泌尿器科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
110070xx0200xx | 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし | 30 | 11.33 | 7.44 | 0 | 73.03 | |
110420xx97xx0x | 水腎症(その他) その他の手術あり 定義副傷病 なし | - | - | 5.33 | - | - | |
110080xx02x0xx | 前立腺の悪性腫瘍 精巣摘出術 手術・処置等2 なし | - | - | 6.1 | - | - | |
11022xxx99xxxx | 男性生殖器疾患 手術なし | - | - | 8.83 | - | - | |
110070xx99x0xx | 膀胱腫瘍 手術なし 手術・処置等2 なし | - | - | 10.42 | - | - |
1)膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術:低侵襲な内視鏡を使用した膀胱悪性腫瘍の手術です。膀胱は下腹部に存在しており、腎臓で作られた尿を一時的にためる働きをしています。膀胱癌はこの膀胱の内面を覆う皮膜(尿路上皮)にできる尿路上皮癌の1つです。尿路上皮腫瘍の大半を占める表在性膀胱癌の治療において内視鏡を使った手術方法である経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)を行っています。
2)水腎症:尿管結石や炎症性腸疾患の炎症波及で尿管が閉塞し、腎盂が拡張した状態のことです。放置すると尿毒症となってしまうため、経尿道的尿管ステント留置術でこれを回避することができます。
3)前立腺の悪性腫瘍 精巣摘出術:前立腺の悪性腫瘍、前立腺癌に対する内分泌治療として精巣摘出術を行っています。高齢者でも行える手術であり、高額なホルモン注射で外来通院することがなくなるため、希望者が増えてきております。
皮膚科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
080020xxxxxxxx | 帯状疱疹 | 48 | 8.25 | 8.96 | 0 | 69.58 | |
080011xx99xxxx | 急性膿皮症 手術なし | 11 | 10.27 | 11.97 | 0 | 62.09 | |
080007xx010xxx | 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1 なし | - | - | 4.28 | - | - | |
080250xx99x1xx | 褥瘡潰瘍 手術なし 手術・処置等2 あり | - | - | 35.46 | - | - | |
080006xx01x0xx | 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2 なし | - | - | 8.78 | - | - |
・帯状疱疹は潜伏感染している水痘帯状疱疹ウイルスが、免疫の低下に伴い神経に沿って皮膚に水疱を形成するもので、本症の入院適応としては、疼痛の強い場合や高齢者、さらには顔面や陰部など、神経性機能障害の残存が懸念される症例が中心となります。治療としては安静の上、抗ウイスル薬の点滴を行っています。
急性膿皮症のうちに入院加療を必要とするものは、細菌感染が下肢などに広範囲にみられる、蜂窩織炎といわれるものが中心です。これらについては入院により局所の安静を確保し、抗生剤の点滴による加療が行われています。
皮膚の良性新生物については、脂肪腫や粉瘤、老人性疣贅の大きいものに対して、数日の短期入院にて摘出術を行っています。局所麻酔あるいは全身麻酔下での手術となります。
局所麻酔下のポケット切開など、侵襲を伴う処置が必要な褥瘡や下腿潰瘍なども積極的に入院による治療を行っています。
小児科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
140010x199x00x | 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし | 25 | 6.4 | 6.18 | 0 | 0 | |
140010x299x0xx | 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) 手術なし 手術・処置等2 なし | - | - | 11.55 | - | - | |
140010x197x0xx | 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術あり 手術・処置等2 なし | - | - | 8.28 | - | - | |
0400801199x00x | 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし | - | - | 5.79 | - | - | |
140010x197x1xx | 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術あり 手術・処置等2 1あり | - | - | 13.96 | - | - |
院内で出生した35週以上で呼吸状態の安定している新生児の管理をしています。早産児、低出生体重児、新生児黄疸、初期嘔吐症、一過性多呼吸、低血糖症、感染症などの一次治療を行っていますが、集中管理が必要な重症新生児は近隣のNICUに紹介させていただいています。
眼科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
020220xx97xxx0 | 緑内障 手術あり 片眼 | - | - | 9.15 | - | - | |
020320xx97xxxx | 眼瞼、涙器、眼窩の疾患 手術あり | - | - | 3.46 | - | - | |
020370xx99xxxx | 視神経の疾患 手術なし | - | - | 11.09 | - | - | |
020280xx99xxxx | 角膜の障害 手術なし | - | - | 14.89 | - | - | |
020230xx97x0xx | 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2 なし | - | - | 3.44 | - | - |
眼科での入院患者さんは、ほとんどが白内障手術目的で、平成29年度は322件ですが白内障は診断群分類を用いた支払の対象となっていないため、この統計には計上されていません。以下は平成29年度の入院加療を行った患者さんの統計データです。
緑内障手術は開放隅角緑内障や閉塞隅角緑内障に対し線維柱帯切除術を行っており、初期の原発閉塞隅角緑内障や原発閉塞隅角症に対し隅角癒着解離術を施行しています。その他、眼瞼下垂症、眼瞼内反症に対する外科的手術、視神経炎の点滴・内服治療、角膜潰瘍の点滴・点眼治療、眼部・眼周囲外傷に対する治療を行っています。また急性緑内障発作に対する点滴加療後の外科的手術も行っています。
3.初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
※患者数が10未満の場合は、-(ハイフン)で掲載しております。
初発 | 再発 | 病期分類 基準(※) |
版数 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Stage I | Stage II | Stage III | Stage IV | 不明 | ||||
胃癌 | 30 | - | - | - | - | 15 | 1 | 7 |
大腸癌 | 37 | 78 | 37 | 87 | - | 189 | 1 | 7 |
乳癌 | 11 | 20 | - | - | - | 1 | 7 | |
肺癌 | 12 | - | 53 | 65 | 26 | 78 | 1 | 7 |
肝癌 | - | 10 | - | - | - | 36 | 1 | 7 |
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
4.成人市中肺炎の重症度別患者数等
※患者数が10未満の場合は、-(ハイフン)で掲載しております。
患者数 | 平均 在院日数 |
平均年齢 | |
---|---|---|---|
軽症 | 25 | 9.8 | 50.88 |
中等症 | 53 | 19.23 | 79.25 |
重症 | 14 | 25.14 | 83.43 |
超重症 | - | - | - |
不明 | - | - | - |
「市中肺炎」とは基礎疾患のない一般社会生活を営む健康な人や基礎疾患を有していても軽微な人(例:高血圧にて外来通院中など)に起こる肺炎のことをいいます。市中肺炎の原因となる病原微生物には、肺炎球菌、インフルエンザ菌、マイコプラズマ、モラクセラ・カタラーリス、肺炎桿菌、黄色ブドウ球菌、レジオネラなどの細菌や、インフルエンザウイルスなどのウィルスなどがあります。なお、入院後48時間以上を経過してから新たに発生する肺炎は「院内肺炎」と呼ばれ、また、長期療養施設や介護施設に入所中や、外来で抗癌剤の点滴治療を受けていたり、透析のために通院している人などに起こる肺炎は「医療・介護関連肺炎」と呼ばれます。「誤嚥性肺炎」は、常に誤嚥があるなど介護を要するような背景を持つヒトに発症するため、通常は市中肺炎には含まれません。
「成人市中肺炎ガイドライン2017」では成人市中肺炎では、敗血症(感染症のため多臓器不全を呈した病態)を併発していれば超重症肺炎としてICUまたはそれに準ずる病室での治療が推奨されています。敗血症を合併していない場合はA-DROPシステムを用いて、軽症、中等症、重症、超重症に分けて、治療の場を決定します。
表は平成28年度(平成28年4月1日から平成29年3月31日)に当院を退院された成人市中肺炎の患者さんについて、重症度別に人数、平均在院日数、および、平均年齢を集計しました。
軽症の市中肺炎は原則として外来治療となりますが、当院では軽症の肺炎患者さんも入院されています。これは、患者さんが食事の摂取が出来ない場合や、一人暮らしで自宅への帰宅が困難な場合など、患者さんの状況によって入院となる場合があるためです。
当院の市中肺炎による入院患者さんは中等症の割合が最も多く、次いで軽症、重症の順となっています。当院では重症者ほど平均年齢が高く、平均在院日数が長期となる傾向がみられます。
*A-DROPシステムとは重症度により治療の場を決定するためのシステムです。
A(Age年齢):男性70歳以上,女性75歳以上
D(Dehydration脱水):BUN21mg/dL以上または脱水あり
R(Respiration呼吸):酸素飽和度90%以下または動脈血ガス60Torr以下
O(Orientation見当識):意識変容あり
P(Blood Pressure血圧):収縮期血圧90mmHg以下
上記5項目のうち、いずれも満たさない者を軽症、1つまたは2つを満たす者を中等症、3つ以上を有する者を重症、4つ以上を有する者を超重症と判別します。原則として軽症では外来治療、中等症では外来または入院治療、重症では入院治療、超重症ではICUまたはそれに準ずる病棟に入院と判断します。
5.脳梗塞のICD10別患者数等
※患者数が10未満の場合は、-(ハイフン)で掲載しております。
ICD10 | 傷病名 | 発症日から | 患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 | 転院率 |
---|---|---|---|---|---|---|
G45$ | 一過性脳虚血発作及び関連症候群 | 3日以内 | - | - | - | - |
その他 | - | - | - | - | ||
G46$ | 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 | 3日以内 | - | - | - | - |
その他 | - | - | - | - | ||
I63$ | 脳梗塞 | 3日以内 | 58 | 25.72 | 74.4 | 29.69 |
その他 | - | - | - | - | ||
I65$ | 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの | 3日以内 | - | - | - | - |
その他 | 17 | 6.18 | 73.71 | 0 | ||
I66$ | 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの | 3日以内 | - | - | - | - |
その他 | - | - | - | - | ||
I675 | もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> | 3日以内 | - | - | - | - |
その他 | - | - | - | - | ||
I679 | 脳血管疾患,詳細不明 | 3日以内 | - | - | - | - |
その他 | - | - | - | - |
平成28年度(平成28年4月1日から平成29年3月31日)に当院を退院された患者さんで、最も医療資源を投入した傷病名の脳梗塞ICD-10コード上3桁で集計し、患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率を出しております。
当院では脳梗塞の発症日から3日以内の患者さんが約9割と高率となっております。
入院後の治療とリハビリテーションによって多くの患者さんが自宅等に退院されますが、約1/4の患者さんは他院に転院してリハビリテーションなどの治療を継続されています。 ※ICD10とは
ICDとは正式な名称を、「疾病及び関連保健問題の国際統計分類:International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems」といい、疾病、傷害及び死因の統計を国際比較するためWHO(世界保健機関)から勧告された統計分類です。
ICDはアルファベットと数字を用いたコードで表され、各国の言語で呼び名が異なっている場合でも、同じコードで表されるので、外国語が分からなくとも世界各国の統計について国際比較が可能となります。約10年ごとに改定され現在は第10回改定版を使用するため、最後に改定数の「10」が付されています。
6.診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
※患者数が10未満の場合は、-(ハイフン)で掲載しております。
【定義】
平成28年度(平成28年4月1日から平成29年3月31日)に当院を退院された患者さんで、診療科別に手術症例数の多い上位5つの術式について、患者数、術前、術後の平均入院日数などを集計しております。
肛門科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K7434 | 痔核手術(脱肛を含む)(根治手術) 等 | 756 | 1.04 | 4.58 | 0 | 56.11 | |
K7462 | 痔瘻根治手術(複雑) 等 | 522 | 1.07 | 3.88 | 0 | 41.24 | |
K7461 | 痔瘻根治手術(単純) 等 | 277 | 1 | 2.68 | 0 | 40.72 | |
K747 | 肛門尖圭コンジローム切除術 等 | 95 | 1.05 | 1.4 | 0 | 36.54 | |
K7521 | 肛門形成手術(肛門狭窄形成手術) | 65 | 1 | 3.72 | 0 | 58.66 |
内科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K7211 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 等 | 84 | 2.24 | 3 | 0 | 64.69 | |
K5951 | 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) | 70 | 1.79 | 5.17 | 0 | 64.34 | |
K6152 | 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 等 | 45 | 1.58 | 9 | 2.22 | 71.18 | |
K5493 | 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 等 | 45 | 1.62 | 2.93 | 2.22 | 69.64 | |
K610-3 | 内シャント設置術 等 | 43 | 3.58 | 8.07 | 6.98 | 68.42 |
内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術が最も多く,経皮的カテーテル心筋焼灼術,血管塞栓術,経皮的冠動脈ステント留置術と循環器系の手術に続いて内シャント設置術となっています。
整形外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K1423 | 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方椎体固定) 等 | 76 | 5.86 | 23.8 | 5.26 | 69.75 | |
K0821 | 人工関節置換術(膝) 等 | 64 | 2.98 | 29.5 | 1.56 | 75.84 | |
K0483 | 骨内異物(挿入物を含む)除去術(下腿) 等 | 37 | 1.16 | 2.22 | 0 | 40.41 | |
K1426 | 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓形成) 等 | 32 | 5.88 | 16.97 | 12.5 | 69.63 | |
K1425 | 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓切除) | 32 | 4.38 | 20.31 | 6.25 | 61.72 |
外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K634 | 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) | 58 | 1.02 | 3.55 | 0 | 63.03 | |
K672-2 | 腹腔鏡下胆嚢摘出術 | 40 | 2.63 | 6.03 | 0 | 56.15 | |
K6335 | 鼠径ヘルニア手術 | 33 | 1.06 | 4.21 | 0 | 70.3 | |
K718-21 | 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 等 | 28 | 0.32 | 4.43 | 0 | 35.96 | |
K718-22 | 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴うもの) | 14 | 0.29 | 5.43 | 0 | 39.36 |
【呼吸器外科】
肺の悪性腫瘍(肺癌)に対する標準的な手術は肺葉切除+肺門と縦隔のリンパ節郭清です。胸腔鏡を使いながら、小さな開胸創で済む手術を行っています。腫瘍の大きさが2cm以下の場合は区域切除術も取り入れています。
【消化器外科】
鼠径ヘルニアは頻度の高い疾患で当院でも手術数が最多となっています。鼠径ヘルニアの手術は再発率の低下を目指し術式が変遷してきており、現在当院では腹腔鏡下ヘルニア修復術を第1選択の術式としています。腹腔鏡で観察するとヘルニアの原因になっている腹壁の脆弱部が陥没してはっきりと認識されるためその部位にメッシュをしっかり確実に補強することができ、現時点では最も再発率の低い術式と考えています。また、腹壁前面からアプローチする以前の手術では神経周囲に手術操作が加わるため術後の慢性疼痛が問題になっていましたが腹腔鏡下での術式ではこれについても発症がかなり低減されています。胆嚢結石に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術が2位に多い手術となっています。多くの場合安全に施行可能ですが、炎症が強い場合などには胆管損傷の合併症に注意が必要です。当院では赤外線カメラを使用した蛍光胆道造影という手技を全例に使用しており、造影剤を使用することなく胆管の走行を可視化することができるため、胆管損傷のリスクを最小限に抑えることが可能となっています。手術術式の3位は急性虫垂炎に対する腹腔鏡下虫垂切除術です。腹部に径5-10 mm の小さな傷3か所のみで虫垂を切除することができ、術後の痛みが軽度で早期の退院にもつながります。しかし、虫垂穿孔による腹膜炎を起こしている場合などでは現在でもより確実な手技が可能な開腹手術が必要で、患者さんの安全を優先しています。
産婦人科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K867 | 子宮頸部(腟部)切除術 | 53 | 1 | 1 | 0 | 34.98 | |
K8981 | 帝王切開術(緊急帝王切開) | 52 | 2.17 | 9.15 | 0 | 30.88 | |
K856-4 | 腟壁尖圭コンジローム切除術 | 41 | 1 | 1 | 0 | 26.56 | |
K8882 | 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) | 33 | 1 | 6.76 | 0 | 34.45 | |
K872-3 | 子宮内膜ポリープ切除術 等 | 33 | 1 | 1 | 0 | 38.33 |
当院では、近隣各医療機関からの子宮頚部細胞診異常でのご紹介が多く、婦人科を専門とする病理医との連携のもと、正確な診断と必要十分な治療を行うように努めており、その結果として円錐切除術が多く行われています。
切除部位の病理診断によっては、改めて開腹手術を要する場合があります。
当院で単純~広汎子宮全摘術を行っておりますが、広汎性子宮頚部切除術は行っておりません。また、内科的治療が不可能な部位に発生したり再発を繰り返す尖圭コンジローマに対する治療目的のご紹介も多く、治療部位等により外来、あるいは入院での焼灼術を行っております。
分娩取り扱い施設であるため、帝王切開術は多く行われています。現在当院では無痛分娩は取り扱っておりません。
良性の卵巣腫瘍等に対しては、安全を第一としつつ可能な限り腹腔鏡等による小さく目立たない傷で行う手術を心がけております。子宮内膜ポリープや粘膜下筋腫に対する子宮鏡下手術も積極的に行っております。
眼科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K2821ロ | 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他) 等 | 319 | 0.01 | 1.28 | 0 | 75.08 | |
K2822 | 水晶体再建術(眼内レンズを挿入しない場合) | - | - | - | - | - | |
K2682 | 緑内障手術(流出路再建術) | - | - | - | - | - | |
K2172 | 眼瞼内反症手術(皮膚切開法) | - | - | - | - | - | |
K2683 | 緑内障手術(濾過手術) | - | - | - | - | - |
白内障手術(水晶体再建術)を年間322例施行しております。日帰り手術、1泊2日の入院手術、両眼3泊4日の入院手術等で治療を行っています。
乱視矯正の適応症例に対してはトーリック眼内レンズを使用しています。
緑内障の主要手術である濾過手術は経過により入院期間が異なりますが、短期入院で手術治療を行い、その後の外来頻回通院でも治療可能です。
その他の緑内障手術である流出路再建術は短期入院で行っています。また、急性閉塞隅角緑内障発作に対しては、必要な場合入院で点滴治療後に外科的手術である水晶体再建術、緑内障手術などを行っています。眼瞼内反症手術や眼瞼下垂手術等の眼瞼疾患にも対応しています。
耳鼻咽喉科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K3772 | 口蓋扁桃手術(摘出) | 20 | 1 | 6.05 | 0 | 25.75 | |
K340-6 | 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術) | 19 | 1 | 3.42 | 0 | 52.47 | |
K319 | 鼓室形成手術 | 11 | 1 | 3 | 0 | 61.91 | |
K340-5 | 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) | 11 | 1.55 | 3.55 | 0 | 49.73 | |
K347 | 鼻中隔矯正術 | - | - | - | - | - |
扁桃肥大、慢性扁桃炎に対する口蓋扁桃手術が最多となっています。慢性副鼻腔炎に対する手術も多く、重症度に応じて複数の副鼻腔を開放する内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型、ないしは全ての副鼻腔を開放する同4型を施行しています。慢性・真珠腫性中耳炎に対する鼓室形成手術も施行しています。
泌尿器科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K768 | 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術 | 32 | 0 | 1.03 | 0 | 55 | |
K8036ロ | 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(その他) | 32 | 2.28 | 9.38 | 0 | 72.72 | |
K783-2 | 経尿道的尿管ステント留置術 | 11 | 1.64 | 6.91 | 0 | 61.64 | |
K830 | 精巣摘出術 | - | - | - | - | - | |
K833 | 精巣悪性腫瘍手術 | - | - | - | - | - |
1)体外式衝撃波腎・尿管結石砕石術:体外で発生させた衝撃波を収束させて結石に伝え、尿路結石を砂状に砕石する、身体への負担が少ない治療法です。結石の大きさが5mm以上の尿路結石は、初回は1泊2日の入院で体外式衝撃波結石砕石術(ESWL)を行っています。
2)膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術):低侵襲な内視鏡を使用した膀胱悪性腫瘍の手術です。膀胱は下腹部に存在しており、腎臓で作られた尿を一時的にためる働きをしています。膀胱癌はこの膀胱の内面を覆う皮膜(尿路上皮)にできる尿路上皮癌の1つです。尿路上皮腫瘍の大半を占める表在性膀胱癌の治療において内視鏡を使った手術方法である経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)を行っています。
3)経尿道的尿管ステント留置術:尿管結石や炎症性腸疾患の炎症波及で尿管が閉塞し、腎盂が拡張した状態のことです。放置すると尿毒症となってしまうため、経尿道的尿管ステント留置術でこれを回避することができます。
脳神経外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K609-2 | 経皮的頸動脈ステント留置術 | 17 | 1.82 | 6.65 | 5.88 | 73.94 | |
K164-2 | 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 等 | - | - | - | - | - | |
K1742 | 水頭症手術(シャント手術) 等 | - | - | - | - | - | |
K171-21 | 内視鏡下経鼻的腫瘍摘出術(下垂体腫瘍) | - | - | - | - | - | |
K6153 | 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他) | - | - | - | - | - |
頚動脈高度病変の経皮的ステント留置術を17件施行しています。高齢者に多い慢性硬膜下血腫の穿孔洗浄術、などは8件に実施しました。高齢者特発性正常圧水頭症には脳室-腹腔シャントあるいは腰椎-腹腔シャント術を6件に施行しました。
皮膚科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K0052 | 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm以上4cm未満) 等 | - | - | - | - | - | |
K0062 | 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm以上6cm未満) | - | - | - | - | - | |
K013-21 | 全層植皮術(25cm2未満) | - | - | - | - | - | |
K0071 | 皮膚悪性腫瘍切除術(広汎切除) | - | - | - | - | - | |
K0072 | 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) | - | - | - | - | - |
良性新生物に対する皮膚・皮下腫瘍摘出術は、大きいものや出血の起こりやすい頭部、顔面などの露出部に生じたものを対象として、数日の短期入院にて行っています。具体的な疾患としては、脂肪腫や粉瘤、老人性疣贅などが主なもので、局所麻酔あるいは全身麻酔下で行っています。
基底細胞癌や有棘細胞癌、悪性黒色腫やパジェット病などの悪性新生物に対しては、画像診断などによる全身検索を行った上、原則として全身麻酔下の手術を行っています。基底細胞癌などでは単純切除術となることもありますが、パジェット病などで大きな欠損が生じた場合は、必要に応じて分層あるいは全層植皮術を追加することもあります。
小児科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K9131 | 新生児仮死蘇生術(仮死第1度) | - | - | - | - | - | |
K9132 | 新生児仮死蘇生術(仮死第2度) | - | - | - | - | - | |
- | - | - | - | - | - | - | |
- | - | - | - | - | - | - | |
- | - | - | - | - | - | - |
新生児の状態によっては蘇生を施す必要があります。新生児仮死2度の重症患者に関しては蘇生を実施した後はその後の状態で近隣のNICUに転院していただき集中治療を受けることになることが多いです。
7.その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
※患者数が10未満の場合は、-(ハイフン)で掲載しております。
DPC | 傷病名 | 入院契機 | 症例数 | 発生率 |
---|---|---|---|---|
130100 | 播種性血管内凝固症候群 | 同一 | - | - |
異なる | 10 | 0.11 | ||
180010 | 敗血症 | 同一 | 16 | 0.18 |
異なる | 19 | 0.21 | ||
180035 | その他の真菌感染症 | 同一 | - | - |
異なる | - | - | ||
180040 | 手術・処置等の合併症 | 同一 | 87 | 0.96 |
異なる | 13 | 0.14 |
更新履歴
2017/9/25
新規掲載