【肝臓内科研修計画】

更新日:2025/06/19

【研修期間】 3ヵ月間の消化器内科研修の一環として肝臓内科の研修を行う。

【研修場所】 病棟での診療が中心となる。

【研修目標】 下記の経験すべき症候、疾病・病態を経験することによって、個々の肝疾患に対して臨床推論を行い、適切な対応ができる。

●肝機能検査や肝疾患関連マーカー(肝炎ウイルス、抗核抗体、抗ミトコンドリア抗体など)、腫瘍マーカーを理解し、病態に応じた検査の選択ができ、診断につなげることができる。

●腹部超音波、CT、MRI、血管造影などの画像診断技術の適応を判断でき、その所見を判読できる。

●腹水穿刺の適応を判断し、安全に実施できる。

●肝疾患の病態を考慮した適切な薬物療法ができる。

●肝疾患の病態を考慮した適切な栄養管理ができる。

●肝疾患の病態を考慮した適切な緩和ケアができる。

【研修内容】 病棟での入院患者の担当医となることで、以下に記載する症候、疾病・病態を有する患者の診療にあたり、病歴、身体所見、検査所見に基づく臨床推論と病態を考慮した実臨床を行う。

〈研修すべき症候〉

黄疸、腹水(蛙腹)、四肢の浮腫、肝性脳症(羽ばたき振戦)、肝脾腫、クモ状血管腫、手掌紅斑、女性化乳房、腹壁静脈怒張、サルコペニア

〈研修すべき疾病・病態〉

急性(A〜E型)ウイルス性肝炎、慢性B型肝炎、慢性C型肝炎、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性胆管炎、アルコール性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、IgG4関連硬化性疾患、肝硬変症(代償性・非代償性)、肝腫瘍(肝細胞癌、胆管細胞癌、血管腫)、門脈圧亢進症(食道静脈瘤、難治性腹水)、急性肝不全、慢性肝不全(腹水、肝性脳症)、肝膿瘍、特発性細菌性腹膜炎(SBP)

【研修内容の確認】 日常診療において作成する電子カルテの診療記事に基づくこととし、病歴、身体所見、検査所見、アセスメント、プラン(診断、治療)、考察等から確認する。

【経験すべき必須項目】

毎月開催されるCPCへの参加は必須とする。

【その他】 疾患に対する理解を深めるために、肝疾患治療に関連する手技(肝動脈化学塞栓治療(TACE)、ラジオ波焼灼療法(RFA)、肝生検、内視鏡的食道静脈瘤結紮術(EVL))、経皮経肝ドレナージ術等には積極的に参加し、見学する。

【研修の評価】 経験症例はPG-EPOCに登録、診療部長、指導医、看護部、コメディカルによる多職種での評価を行う。

【教育関連スケジュール】

月曜日  午前 上部消化管内視鏡

午後   腹部超音波検査、消化器・肝臓カンファランス

火曜日  午後 肝生検、TACE

水曜日  午前 上部消化管内視鏡

午後   腹部超音波検査、RFA

木曜日  午後 TACE

【超過勤務】 診療部長の判断で命令業務として行うことがある。勤務終了後速やかに勤務簿に記載、翌日までには診療部長が確認し押印する。

【有給休暇】 研修医は最低でも年5日間の有給休暇を取得しなければならないため、希望時には適宜検討する。