苦痛の少ない気管支鏡検査
苦痛の少ない気管支鏡検査 |
気管支鏡検査を受けたがとても苦しかった、二度とやりたくない、いや、気管支鏡検査は苦しいのが当たり前、耐えるしかない・・・そんな話をよく聞きます。 確かに、水が一滴入ってもむせて苦しい気管支、そこに細めとは言え、直径6mmの内視鏡という異物が10~20分近く入って動き回る、考えただけで苦しそう、仕方ないのか・・・ 決してそうではありません。 当院では早くから独自の工夫を凝らして、苦痛の少ない気管支鏡検査を実践、検査を受けた方の大部分からは、ほとんど苦しくなかった、一部の方からは、やや苦しかったけれど胃の内視鏡並みだった、と言って頂いています。 熟練したスタッフを中心に、幾つかの工夫を重ね、それを達成しています。 過度の緊張が過敏な反射をもたらしますので、検査が始まる直前によく説明をし、苦しければ手で合図して下さい、対応しますから、とお約束します。 検査中、咳止めとして局所麻酔を追加して行きますが、人により咳反射の強さに差がありますので、反射の強い方には操作を強行せず、麻酔効果が現れるまでじっくりと待ちます。この間、何度も声をお掛けし、苦しくないかどうかをお尋ねし、苦しい場合は一旦内視鏡を抜くこともあります(最終的には必ず最後まで出来ます)。 内視鏡操作は優しく、かつ的確に、を心がけ、無駄なく短時間で、を心がけています。 それでも咳反射が強い場合、予め用意した点滴ラインから少量の鎮静剤を静脈注射で入れます。これで緊張がとれると急に楽になる方が多いのです。 この鎮静剤の使用は、最近の呼吸器内視鏡学会の手引き書(2010年6月改訂第2版)にも記載されるようになりましたが、まだ実践している施設は少ないようです。 なお、1度目の気管支鏡検査で期待した結果が出ない場合、当院では同じ検査を繰り返すことは少なく、がんなどが疑われる場合は放射線科に相談して、針生検と言う次の手段に移行することが大部分です。 |