糖尿病・内分泌科

診療・各部門

担当医師紹介 外来診療担当表 診療実績 登録医一覧

当院は地域医療機関との連携を図る、紹介制を原則としております。
このため初診の場合、緊急の場合を除き、「かかりつけ医」など地域の医療機関からの紹介状をご持参下さい。
紹介状は必ずしも専門医からの文書でなくてもかまいません。

※紹介状持参の方は、初診、再診すべて総合医療相談センター(8番窓口)へ。

糖尿病・内分泌科のご案内

当科は糖尿病をはじめ、脂質異常症、高血圧、高尿酸血症などの生活習慣病や甲状腺疾患などのホルモンの病気を診療しております。
当科は生活習慣と密接に関連した疾患を主に扱っております。したがって、患者さんの目線に立ち、患者さんの生活スタイルや生活環境を考慮し、患者さんがどうすればより良い状態でより良い治療が受けられるかを常に考えながら医療を提供していけるようチーム一丸となって日々努力しております。

I. 糖尿病

糖尿病を早期に発見し、合併症と糖尿病の進行を予防しましょう。
糖尿病は、発症初期は自覚症状もなく、発症していることに気がつかず、検診や人間ドックなどで、血糖値が高いことを指摘されて始めてわかることが多い病気です。そして、長い間気づかずに経過してしまい、目が見えにくい、足がむくんだ、足に壊疽ができたなど目や腎臓や神経の合併症、心筋梗塞、脳卒中や肺炎などの感染症がきっかけで始めて糖尿病が発見されることも、残念ながら、まだ多いのです。
最近の大規模臨床研究からも早期に治療すれば糖尿病の三大合併症はもちろん、糖尿病に合併することが多い心筋梗塞、脳卒中等の血管合併症を抑制できることが証明されてきています。それとともに合併症の予防には発症早期に起こる食後の血糖の上昇(食後高血糖)の段階から治療する必要があることもわかってきました。
そして、早期からの治療を行っていけば、合併症のみならず糖尿病自体の進行そのものも遅くすることができるのです。

当科の治療方針と特色

1)早期からの治療
当院では始めて糖尿病といわれた方に、早期より食後の血糖値の上昇を評価し、食後血糖値を下げるための治療を積極的に行っています。まず管理栄養士の食事指導を受けていただきます。
また必要に応じて最近開発されてきたさまざまな経口糖尿病薬を駆使し、それぞれの患者さんの個々の病態や生活スタイルにあった治療をするように心がけてい ます。もちろん薬の副作用にも十分注意しながら適切なお薬を探していきます。
ここ十数年の糖尿病の治療薬は格段の進歩を遂げており、患者さんがご自分の病態にあった薬を飲んでいただければ正常に近い血糖値を維持することも不可能で はなくなってきております。

2)糖尿病専門スタッフによるチーム医療
当院には生活習慣病を中心に扱う内科のブース(内科2)があり、そこでは医師、糖尿病療養指導士、糖尿病看護認定看護師、薬剤師、管理栄養士、臨床検査技師などが患者さんのニーズにあった療養指導を行っています。
まさにかゆいところに手の届くきめの細かいチーム医療を目指しています。
糖尿病の治療では食事療法や運動療法が重要であることは言うまでもなく、管理栄養士による個人指導は患者さん個々の生活環境や生活スタイルにあった指導をこころがけています。
事情があってすぐに入院することができないけれどインスリン治療が必要な患者さん対しては、糖尿病看護認定看護師の指導による外来でのインスリン導入も行っています。また、インスリン注射にともなって血糖を自分ではかること(血糖自己測定)が必要になる場合が有ります。
この血糖自己測定の指導は検査技師が担当しています。
【血糖コントロール・教育入院】:血糖コントロールが乱れてしまった方や、はじめて糖尿病を指摘された方などを対象に、当科では患者さんの糖尿病への理解を深めていただく教育をかねた血糖コントロール入院を行っています。1週間から10日前後の予定です。糖尿病の状態を把握するための採血や蓄尿検査、1日血糖測定、合併症の精査などを行います。また、個人栄養指導の他、「糖尿病とは」、「シックデイ」、「フットケア」などについてのお話を各スタッフが分担して行っています。
糖尿病教室2019年下半期*詳細クリック
:上記スタッフが分担して定期的(月2回程度)に開いています。糖尿病教室の予定や詳細については内科2でご案内しております。病気のことがわかれば、不安なく糖尿病に向き合うことができるようになります。食事はどういうことに気をつければいいの?どうしてこ の薬を飲むの?どうすれば合併症を予防できるの?など、患者さんのさまざまな疑問にスタッフ一同がわかりやすくお答えしてゆきます。
【フットケア】:糖尿病の足病変のリスクの高い方を対象にフットケアを行っています。

3)合併症の予防、早期発見、他科との連携
糖尿病に合併しやすい動脈硬化や腎臓病の進行を予防するため、定期的に眼底、蛋白尿のなどの検査を行い、血管合併症の早期発見と予防に努めています。これらの検査で異常を発見した場合や、心臓病、腎臓病、眼の病気を併発した場合は循環器内科、心臓血管外科、腎臓内科、眼科などと協力して総合的に診療しています。
また、糖尿病が悪化してくる原因のひとつに悪性腫瘍などが潜んでいることもあり、それらの早期発見にも気を配っています。

Ⅱ. 糖尿病以外の生活習慣病

また、当科では糖尿病以外の生活習慣病で、糖尿病にも合併しやすい、脂質異常症、高血圧、高尿酸血症、これらの疾患が複合しているメタボリックシンドロームも総合的に診療しています。

【脂質異常症】
脂質異常症も高血圧や糖尿病などと並んで、脳卒中や心筋梗塞などの動脈硬化症を引きおこす疾患の一つです。脂質異常症もいろいろなタイプがあり、病態によって適切な薬を選択する必要があります。
食事療法も必要不可欠ですが、最近では、患者さんの個々の病体にあったお薬を選択してゆけば、目標の値にまで血中脂質の値を下げることはむずかしくなくなってきました。上記糖尿病にも合併することが多い病気です。

【メタボリックシンドローム】
メタボリックシンドロームは内蔵脂肪の蓄積などが主な原因で、糖代謝異常、脂質代謝異常、血圧の上昇をきたす病気です。血糖を下げるホルモンであるインスリンが体の中で効きにくく(インスリン抵抗性)なっています。
メタボリックシンドロームは動脈硬化症を引き起こす危険因子が、複数重なっており、動脈硬化のリスクがさらに高まります。
当科では、まず、栄養指導、運動の指導などの生活習慣改善のためのアドバイスを行っています。その後、定期的に体重、血圧、採血検査などを行い、それぞれの危険因子の改善と進行の防止につとめ、必要があればそれぞれの危険因子に対して薬による治療も行っていきます。

Ⅲ. ホルモンの病気

 ホルモンの病気には甲状腺疾患 (バセドウ病、慢性甲状腺炎など)、副甲状腺、副腎、視床下部下垂体の病気などがあります。
上記の糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病にもホルモンの異常が潜んでいることも多く、 それらを見逃さないようにスクリーニング検査も行っています。

【甲状腺疾患】
甲状腺の病気はホルモンの病気の中でも最も多い病気の一つです。バセドウ病(甲状腺機能亢進症), 橋本病(甲状腺機能低下症あ)などは症状が進行しないと、はじめはなかなか気がつかれない病気です。
特にご高齢の方では症状が典型的でなく、気がつかれないで、経過してしまうことがよくあります。例えば不整脈で循環器内科を受診したら、バセドウ病が見つ かった、脂質異常症でコレステロールが高くて受診されたら、実は甲状腺機能低下症だったなどもしばしばあります。
殆どの方が、適切な診断と治療が行われれば、正常の方と全くかわらない生活ができます。まれに治療が難しい場合はより専門の病院や大学病院などに適宜ご紹介しています。