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変形性膝関節症が旅行能力に及ぼす影響

田代俊之1), 深谷英世2), 三浦俊樹2), 鴨川盛秀2)
1)JCHO東京山手メディカルセンター整形外科, 2)JR東京総合病院整形外科
交通医学 68(3/4): 123-128, 2014.

人口の高齢化が進むにつれ, 観光業の対象も高齢層に推移してきている.
旅行などが可能なのは健康な高齢者に限られるが, 特に変形性膝関節症(以下膝OA)は高齢者の日常生活能力を低下させる原因の一つである.
しかし膝OAと旅行能力との間にどの程度の相関があるかはわかっていない.
本研究の目的は, 膝OAがどの程度高齢者の旅行能力を低下させるかを検討することである.
JR東京総合病院整形外科外来通院中の内側型膝OA患者83例を対象とした(平均年齢69.9±9.8歳 女性67例・男性16例). 立位膝XP前後像により, 軽症群(19例, 平均年齢63.4±9.5歳, 女性13例・男性6例), 中等症群(20例, 平均年齢67.3±10.7歳, 女性16例・男性4例), 重症群(44例, 平均年齢74.2±7.1歳, 女性38例・男性6例)に分類した.
旅行能力は独自に作成した旅行能力評価を用いて調べた.
また旅行会社が募集した膝の痛みに対する健康教室に来場し, 同意が得られた67人を対照とし, 旅行能力を調べた(平均年齢72.8±6.0歳, 女性49例, 男性18例).
1年間に1回も旅行に行かなかった割合は, 対照群では6.0%, 軽症群で15.8%, 中等症群で15.0%に対し, 重症群では25.0%と有意に多かった.
また, 鉄道などを用いた旅行に1回も行かなかったのは, 対照群では10.4%, 軽症群, 中等症群では21.0%であったが, 重症群では50.0%と有意に多かった.
重症になっても, 旅行に行こうと思う患者はある程度いるが, その多くは公共交通機関を使わず, 車や観光バスなどで回っていると考えられた.
また, 旅行中どの程度活動したかについては, 軽症群では約40%がハイキングも可能であったが, 症状が進むにつれ活動性は低下し, 重症群では50%以上が, 宿で楽しんだか, 乗り物で回ったとの答えであった.
すなわち重症例では旅行に行っても, 自分の足で歩いて観光することは制限されていた.
本研究の結果より, 膝OAの進行とともに, 旅行能力は低下することが示された.
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